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ポジションの重要性

本記事ではポストフロップを戦ううえでの基礎となる、ポジションの重要性について解説します。「ポストフロップ基礎」の記事を理解すれば、友人との初心者同士のプレイにおいては有利に立ち回れるようになるのでぜひご覧ください。

 

まずは本記事で頻出するポジションに関する用語を2つ紹介します。

 

IP: ポストフロップにおいて最後にアクションするプレイヤー 例:UTGvsBUのBU側

OOP: ポストフロップにおいて先にアクションするプレイヤー、複数人参加の場合はIP以外の全員 例:SBvsUTGのSB側

IPはIn positionの略で最後に行動、OOPはOut of positionの略で先に行動と覚えてください。

 

では、ポジションの重要性について解説していきます。

IPとOOPでは一般的にIPのほうがポジションとして有利だと言われています。IPは最後にアクションするプレイヤーのため、他プレイヤーのアクションを考慮して意思決定を行うことができるからです。

ポーカーは非完全情報ゲーム(自分と相手で把握している情報が違うゲーム、自分のハンドは自分しか把握しておらず相手の持ちうるハンドは推測でしかない)であり、多くの情報を把握してプレイできればその分だけ正しい選択をとる可能性が高くなります。

なので、自分がIPの時にOOPがどのようなアクションをしたのかによって相手のハンドレンジを推測してより適切なアクションを選択しやすくなります。(超簡略化すると、相手がベットしてきたら相手のハンドレンジ全体としては相対的に強く、チェックしてきたら相対的に中程度~弱い場合が多い)

そのため例えば自分がIPの場合は、他のプレイヤーがチェックした場合はハンドが強くない可能性が高いと推測できるので、バリューベットやブラフによりポットを手にするという選択を適切に行いやすくなります。(この際、OOPが中程度の強さのハンドを持っていた場合、IPがバリューかブラフか少ない情報の中で判断しなければならず選択が難しくなります)

逆に、他のプレイヤーが強くベットしてきた場合は、こちらのハンドがそこそこ強かったとしても相手のハンドがかなり強いと想定し、Foldによりチップを無駄にせずゲームを降りることもできます。

上述した内容を一言でまとめると、「ポジションの優位性により、IPはOOPよりもEQR( Equity realization)が高いため相対的に有利である」と言えます。

EQRという新単語が出てきましたが、順を追って説明しますのでご安心ください。

 

まずは以降の議論で出てくる単語の意味をご紹介します。

EQ; Equity,勝率。現時点での勝率であり、ポジションや今後のアクションは考慮しない。

EV: Expected value,期待値。あるスポットのプレイにおいてどれだけ稼げるかを表した数字。

EQR: Equity realization,直訳すると「勝率を現実化すること」。EQR=EV/EQとなる。勝率は低いが勝つときはたくさん稼げる場合はEQRは高くなる。また、勝率はある程度あるが、相手から強くベットされると降りざるを得ないハンドが多い場合は、EQはある程度高いがEVは低くなるのでEQRは低くなる。

 

では、「ポジションの優位性により、IPはOOPよりもEQR( Equity realization)が高いため相対的に有利である」とはどういうことか、説明していきます。

 

単語説明の通り、EQRとは勝率を現実化することです。EQはフロップ・ターンなどある瞬間の勝率を意味しており、それを実際に獲得するポットにすることを「realization(現実化)」と表しており、EQを実際に得られるポットにできる可能性・しやすさをEQRといいます。

例えば、BUのOpen raiseをあなたがBBからコールしたとします。現実にはあり得ませんが、仮にBUのOpen raiseのハンドレンジとBBのCallのハンドレンジが全く一緒だった場合、フロップの3枚のカードがめくられた時点で、あなた(BB)の勝率は50%です。どちらのハンドレンジも同じで、フロップ・ターン・リバーのカードは共用カードで同じなので当然勝率はBU,BB共に50%ですね。この場合、フロップがめくられた瞬間のあなた(BB)のEQは50%です。

しかし、このように全く同じレンジでプレイしてEQが同じ場合でも、IPは平均して5%ほど多くPotを獲得し、OOPは5%ほど少なくPotを獲得するといわれています。

(当然プレイヤースキルやフロップのカード、ハンドレンジにより異なりますが、一般的にIPのほうが多くPotを獲得することは変わりません)

これは、IPのほうがOOPよりもEQRが高い、すなわちEQを実際に得られるPotにできる可能性が高いことを意味しています。

 

ではなぜIPのほうが現時点での勝率を実現する(実際に勝利する)ことがしやすいのでしょうか?

それはこれまで度々述べてきたとおり、IPは各ストリートの最後にアクション出来るので、フロップ・ターン・リバーを経るごとに情報面での優位性が大きくなるからです。

なので、IPのほうがOOPのレンジをより正確に把握した状態でプレイすることができます。

例を示しますので、イメージをつかんでいただければと思います。

 

フロップがTs7s6h(sは♠、hは♥)で自分がIPでKh5hを持っているとします。

 

自分がIPの場合

OOPがチェックした場合、自分はブラフを打つか、もしくはチェックしてターンのフリーカードを得るか相手に応じて自分で決めることができます。相手がFoldしがちならブラフして、相手がなんでもコールしてくるならチェックしてターンで4,Kや♥が落ちることを待ってもいいでしょう。

 

OOPがベットした場合、今までのプレイに応じてFold、Call、Raiseを判断しましょう。また、もし自分がTT,77,66など強いカードを持っていたらRaise、8を持っていたらブラフRaiseなど、自分のカードに合わせて相手のアクションに対応することができます。

例えば自分が8を持っていたら相手が58,89などのストレートを持っている確率は低くなる(4枚の8のうち1枚を自分が持っているため)ので、相手はバリューではなくブラフでBetしている可能性が高い。なのでこちらもブラフRaiseやCallで対応しよう、というように相手のアクションを加味したうえで自分のアクションを選択できます。

 

少し話がそれますが、OOPがOpen raiseに対してCallで参加する場合、一般的にFlopはCheckすることが多いです。これは上述したように情報をできる限り渡さないようにする&Open raiseしたプレイヤーにAA,KKなどのナッツ(勝率が85%以上の非常に強いカード)が存在し、IPにRaiseされると判断が難しくなるためです。詳しくは別記事で紹介します。

 

このように、IPのほうがOOPのレンジをより正確に把握した状態でプレイすることができ、IPはOOPよりもEQR( Equity realization)が高く相対的に有利であるといえます。

これがポーカーにおけるポジションの重要性です。

 

まとめ

・IPはOOPよりもEQR( Equity realization)が高く相対的に有利である。

OOPがOpen raiseに対してCallで参加する場合、一般的にFlopはCheckすることが多い。これは情報をIPに渡さない&Open raiseしたプレイヤーにナッツが存在するためである。

 

 いかがでしたでしょうか?

もし記事の内容に不明点があれば、別記事のQ&Aにてコメントいただければと思います。最後までご覧くださりありがとうございました!