プリフロップで他プレイヤーがOpen raiseした場合の考え方
前回の記事
(プリフロップで自分が最初に参加する(Open raiseする)ときの考え方 - intro_poker)でプリフロップで他プレイヤーがOpen raiseしておらず、自分が最初にゲームに参加するときの考え方をご紹介しました。
本記事では、自分の前に他プレイヤーが1人Open raiseしている場合の考え方についてポジション毎にご紹介します。具体的には、①MP,CO,BU、②SB、③BBの括りでそれぞれカテゴリを分けています。(6人プレイの場合、UTGは最初にアクションするので今回のケースに当てはまらないため除外しています)
~初めに~ IP,OOPの特性について
前述したカテゴリごとの説明を始める前に、私がなぜ①②③のようにくくったのか理由を最初にお話しします。
まずは下のSnowieの画像をご覧ください。
※緑が3bet、黄がCall。黄に数字が記載されている場合は数字の%だけ3betで残りはCall。(白の場合は数字の%だけ3betで残りはFold。)
最初の画像3枚(①自分がMP,CO,BUの場合)は黄色(Call)が比較的多く、次の1枚(②自分がSBの場合)はほぼ全てが緑(Raise、今回の場合は3bet)で、最後の1枚(③自分がBBの場合)はCallする範囲が広いことが特徴として挙げられます。
この特徴は、最初にレイズしたプレイヤーのポジションを変更しても大きくは変わりません。(例:自分がSBの場合、レイズしたプレイヤーがUTG~BUのどこにいても似たレンジ表になる)
それでは①②③の形状のハンドレンジとなる理由について説明していきますが、先に結論をお伝えすると、①②はポジションが大きく影響しており、③はブラインド(プレイ前にBB,SBが支払う金額)が影響しております。
①自分がMP,CO,BUの場合にCallが比較的多い理由
JJ+やAQ,AKなどのValueと、A2~A5や56,67のスーテッドなどのBlaffで3betしていますが、TT以下のポケットペアやKJ,QJなどのスーテッドでは比較的Callが多く見受けられます。
UTGやMPなどOpen rangeが狭い相手に3betするほどは強くないが、十分ポストフロップをプレイできるハンドが多くCallに回されています。
これは、自分のポジションがIPなので、相手のアクションを見たうえで自分のアクションを決めることができ、有利にポストフロップをプレイすることができるからです。
(IPが有利な理由として、エクイティリアライゼーションが挙げられるのですが、詳しくは別記事にて紹介します)
そのため、すべてのハンドを3bet or Foldで考えず、一部をCallに回すことが多いです。
②自分がSBの場合にRaise(今回の場合は3bet)が多い理由
SB(自分)vsBU(最初にレイズしたプレイヤー)の場合は、66+やAXs、T9s+、QJo+などで3betしており、Callしているハンドは全くありません。
こちらもポジションが関係しており、SBからCallするとポストフロップで一番最初にアクションする必要があります。さらにプリフロップでCallしていることから、AA,KK,QQなどのプレミアハンドがレンジに含まれていないことも相手に推測されてしまうため、ポストフロップが非常に戦いにくいです。
そのため、ポジションの悪いSBでは、一部のハンドをCallしてプレイするよりも、ハンドを絞って3bet or Foldでプレイするほうがポストフロップ以降の判断ミスを減らすことができてEVの向上につながります。
※疑問に思われる方がいるかもしれないので補足ですが、SB3betのレンジ(画像4枚目)が広いのは、相手がBUで相手のレンジが広いのでこちらの3Betも広げる必要がある&BBしか後にプレイヤーがいないため4betを後のプレイヤーにされる可能性が低いためです。今回はポジションにより推奨アクションが変わることを主として議論しているため、①と②のハンドレンジの広さ狭さに関してはまた別議論とさせてください。
③自分がBBの場合にCallする範囲が広い理由
BBvsBUの場合、AT+や66+、T9+など広いレンジで3betを打っています。
さらに特筆すべきは、53sやK2sなどかなり広いレンジでCallをしている点です。
相手がBUではなくUTG,MPの場合は5枚目の画像ほどCallしませんが、それでも他ポジションに比べるとかなり広くCallしています。
BBで広くCallする理由は、すでにブラインドとして1BBの金額を場に支払っていることが挙げられます。
すでにブラインドとしてお金を一部支払っていることで、プレイに対する必要勝率が変わってきます。
例1 相手がUTGで3bb Open raise、自分がBUでCallする場合の必要勝率
ブラインドとしてSBが0.5bb、BBが1bb支払っており、UTGが3bbレイズで参加しているので場には4.5bb存在する。参加するには自分も3bb支払う必要がある。
この場合、3bb支払って参加して勝利したときに得られる金額は、
4.5bb(場の金額)+3bb(自分が参加時に支払った金額)=7.5bb となる。
つまり、3bb支払って勝利したら7.5bb得られるゲームの必要勝率は、
3bb/7.5bb=0.4 (40%)となる。
例2 相手がBUで3bb Open raise、自分がBBでCallする場合の必要勝率
ブラインドとしてSBが0.5bb、BB(自分)が1bb支払っており、BUが3bbレイズで参加しているので場には4.5bb存在する。すでに自分は1bb支払っているため、参加するには追加で2bb支払う必要がある。
この場合、2bb支払って参加して勝利したときに得られる金額は、
4.5bb(場の金額)+2bb(自分が参加時に支払った金額)=6.5bb となる。
つまり、2bb支払って勝利したら6.5bb得られるゲームの必要勝率は、
2bb/6.5bb=0.307 (30.7%)となる。
相手のハンドレンジに対する勝率が必要勝率を上回ればゲームに参加することが正当化されますが、
例1、2から分かる通り、すでにブラインドとして1bb支払っているBBはゲームに参加するための必要勝率が低いため、他ポジションよりも広いレンジでゲームに参加しています。
今回はプリフロップで他プレイヤーが自分よりも先にOpen raiseした場合の考え方について解説しました。
もし記事の内容に不明点があれば、別記事のQ&Aにてコメントいただければと思います。
最後までご覧くださりありがとうございました!